血糖値を急激に上げないためには

1) 食事は野菜から食べ始め
2) ゆっくりとよく噛み
3) 食後30分以降に出来るだけ身体を動かすこと
 



【食事を摂って一旦上がった血糖値が下がる仕組み】
食事を摂ったとき、その食事は消化され腸まで運ばれ、

腸でブドウ糖が血中に吸収され、身体は血糖値を上げる。
すると膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島でインスリンというホルモンが分泌され
そのインスリンが「血糖値を下げろ」と糖輸送担体と呼ばれる分子に指令を出す。
インスリンの指令を受け、糖輸送担体はブドウ糖を筋肉などに運び、血糖値を下げる。
筋肉などに運ばれたブドウ糖はエネルギー源となる。
インスリンはつまり血糖値を下げるために送られる信号であり
信号の量が多いほど血糖値は下がることになる。




【血糖値の上り方が急だと、やがて上がっても下がらなくなってしまう】
インスリンの量や作用が足りなくなり、血糖値を下げられなくなることが原因。



■1型糖尿病

どういう理由によるのかはっきり分かっていないが
免疫をつかさどる細胞(リンパ球など)が
膵臓のインスリン産生細胞を破壊してしまい
インスリン分泌量が減っていく。
その結果、血糖値が下がらなくなる。



■2型糖尿病(またはその予備軍)

糖分を摂りすぎる状態が続くと、糖輸送担体が
「そんなに血糖値を下げろと信号を(インスリンを)出されても処理しきれない」と
インスリンに反応しなくなってくる。
これをインスリン抵抗性という。
インスリン抵抗性がついてしまうと
膵臓のほうも「こんなに信号を(インスリンを)出してもムダだ」と判断し
糖分が多く摂られているのにインスリンの分泌量を減らしてしまう。
こうして「血糖値を下げろ」という信号には反応しない、信号自体も少ない、という状態になり
筋肉などに糖が十分運ばれなくなり、血糖値が下がらなくなる。



【血糖値の上がり方が急だと、血管を傷つける】

血糖値が過度に上がると血管にストレスがかかり、傷がつく
(血中の余分なブドウ糖は血管壁の炎症を引き起こしやすい)。
その傷の修復が行われるため、血管が厚く硬くなり、血液の通路が狭くなってしまう。
また、血糖値の高い血液はドロドロなため、血管にこびりついたり詰まったりしやすい。
その結果、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞を引き起こす原因となる。



【血糖値を急激に上げないためには】

■食事の摂り方を工夫する
糖質を控え、野菜から、ゆっくりとよく噛んで食べる。
これにより血糖値の上がり方が緩やかになり、
血糖値を下げる信号を出す側・出される側にかかる負担が軽減される。


■適度な有酸素運動をする
筋肉量を増やすことで、糖輸送担体が糖を運ぶ先の受け皿が増えることになり
スムーズにブドウ糖を送ることが出来るため、インスリン抵抗性が改善される。
また、食後30分~1時間が血糖値上昇のピークのため
その時間帯に過度でない有酸素運動(スクワットや家事、ウォーキングなど)を行うことで
筋肉に蓄えられたブドウ糖が使われ
糖輸送担体が糖を運ぶ先の受け皿に空きができ
インスリン抵抗性が改善される。



【糖質とは】

「甘いものとでんぷん」を指す。
でんぷんは、米や小麦などの穀類や、芋類に多く含まれる。

塩辛いせんべいや、スナック菓子の主な原料は
米や小麦、とうもろこし、じゃがいもなので
でんぷんであり、糖質である。



【どうしても糖質が欲しいときには】

野菜、またはクルミを先に食べてから、糖質の食べ物をよく噛んでゆっくり摂る。
クルミには、先の血糖値の上がり方を緩やかにする効果に加え
動脈硬化改善効果がある。

ただしクルミはカロリーが高いため、糖質同様、摂りすぎないようにする。



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