健康になる呼吸法のコツは

1) 首・胸・腹の3点に空気が入る姿勢を保ちつつ
2) 意識を臍下の一点(へそ下10センチの一点)に向け
3) 音を立てないよう、力を入れないよう、自然に深く呼吸すること



【呼吸法の効果】
■心が静まる。静まらないときは身に降りかかる危険や、体調変化のサイン
■自分のしていることが正しいかどうか、自分が何をすべきか解る
■気力・意志力が上がり、かつ、ケンカをしなくなる
■「自己気圧法」により、具合の悪いところが治療できる



【呼吸中の理想的状態】
4大原則
■臍下(せいか)の一点(力の入らない無限小の一点)に心を静めている
■全身の力を完全に抜く
■身体のすべての重みを、その最下層に置く
■氣を出す

姿勢
■背筋をピンと張った姿勢と猫背の中間
■肩が、上下させやすい位置にある。肩を回すのではなく、大きく上下させて位置を探す
■座るとき、手足はふわっと乗せる
■姿勢が安定している(押されたとき、抵抗せずともよろけない)
■非常時には、いつでもサッと動ける
■自然体
■リラックス=力が抜けた状態ではなく、安定した状態

呼吸の仕方
■自然体で行い、力を入れない。優しく呼吸する
■うまく呼吸しようとしない。「普段の呼吸の延長」で行う
■息を優しく吐ききり、優しく吸い込む
■強く深呼吸しようとせず、逆に虚脱状態の「ため息」にもならないように
■意識的に呼吸せず、吐くに任せ、吸うに任せる
■無息の呼吸(武士が呼吸を読まれないよう行った静かな呼吸)
■肺活量を大きくするのを目的にせず、リラックスを目的とする
■長生き=長息
■毎日、一日15分でもいいので継続する。やめてしまい効果の出ない人が多い
■心臓疾患のある人は長い呼吸が出来ないが、続けることで出来るようになる
■呼吸法はやればやっただけ上達する

歩きながらの呼吸の仕方
■臍下の一点に心を静め、姿勢を崩さず、歩きながら静かに吐けるだけ吐く
■吐いた後、4歩くらい歩いてから吸い始める
■吸い終わってからまた4歩くらい歩いてから吐き始める
■呼気と吸気の間に間を置く

その他
■呼吸法をする=プラスの氣を練る
■朝起きるときはグズグズせず、パッと起きるとプラスの氣になる。これだけのことで意思が強くなる
■睡眠の質は、いかに天地自然の氣と交流できるかで決まる
■吐く息がすぐ消えるのではなく、宇宙の果てまで飛んでいくことをイメージ
■足の先端まで氣が通っている
■身体に力が滞(とどこお)ってはいない
■頭に(氣が)来てはいない
■感情がコントロールできている、心の状態が安定している、心身統一できている
■「姿勢」の名のとおり、姿に勢いがある、大きく見える
■臍下の一点とは、自分のイメージで無限に分割され小さくなる点。これ以上分割できないというものではなく、知覚できない点であってもさらに分割する。分割をやめてはいけない。分割は動の極致であり、イコール静の極致である
■腹の立つことがあったら、底なしの臍下の一点に吸い込ませる
■天上天下唯我独尊=自分が世界の中心
■万物に仏性あり=自分が世界の中心であると同時に、他の全てもそれぞれ世界の中心である
■一日は寝る前から決まる。氣の呼吸法をして寝れば、体内の浄化が行われ、翌日が元気いっぱいで始められる
■食事をする際は、食事することに氣を向ける。自然と作ってくれた人にも感謝が生まれる
■「争わざるの理」とは、相手のマイナスの気を一切受け付けないこと。相手の言う事に何でも従うという意味ではない
■自分自身にプラスの氣が充満していると、周囲のマイナスの氣は一切入ってこない
■「争わなければ生きられない」「勝つためには手段を選ばない」「他を押さえつけても優位に立とう」などといった、マイナスの考えを持たない。マイナスの氣のもとでは、社会の調和も世界の平和もない
■相手のマイナスの心に腹を立てず、全く心に留めないでいられてはじめて「争わざるの理」が理解できていることになる
■他人のムカつく言動にムカついている間や、腹を立てて我慢している間は修行が足りない
■清水が一旦湧出を止めると周囲の泥水が入ってくる。マイナスの氣を全く受け付けないためには、最も強いプラスの心の力が必要
■相手が傷つけようとものを言ってきたときは、臍下の一点に心を静め、プラスの氣を持ち「ハイ」「ハイ」と相槌を打ちながら平静を保つこと。相手のマイナスの氣は相手にそのまま返るので、傷つくのは相手だけになる
■たとえ相手に非があっても、ケンカになるということは臍下の一点に氣を静めていないことになる。自分の修行が足りない。
■それでもケンカをしてしまったら、氣を静めること。度量が大きくなり、自分の非にも気付く
■ケンカをしたら相手より早く謝ること。より早く相手を許す寛容の気持ちになれるのだから、相手より一段高く出たことになる。同じ高さ(レベル)にいるからケンカになる
■相手の非を責める行為や、自己嫌悪は、マイナスの氣によるもの。プラスの氣に変えることでケンカや悩みは消える
■心に争いが無ければ、敵も味方もなくなる。共存共栄できる



【理想的でない状態】

■姿勢がだらしない
■緊張して突っ張っている
■胸を張って背筋が反り返り、手にも力が入っている
■虚脱して猫背になっている
■パソコン中・テレビを観ている際に顔が前に出ている
■下腹に力が入っている、自然体でない
■常に下腹を意識している。意識するのは呼吸法を行うときだけ
■音を立てて呼吸している。自然な呼吸の強さでない

自己気圧法
■具合の悪いところに軽く指先を置き、心(氣)を向ける
■心身統一(安定した姿勢・自然な姿勢)
■無理な力で押し込まない(氣の出た指先を痛い部分・固い部分に置く)
■揉まない(振れた指先は動かさない)
■点ではなく流れを考える(悪い部分だけではなく流れを考える)



【個人的解釈】

人は「意識を向けたところに血を巡らせることができる」。
これは寝床で足に血を巡らせようと考えると本当にポカポカしてきて寝やすくなるので
確かなことだと思っています。
コリをほぐすときには鍼灸や湿布などが使われますが、ツボの位置だとか湿布の成分というのは実は意味などなくて、それらで患部を刺激し、自分の意識をそこに向けさせることこそが重要なのでは、と思います。
意識が向くと、そこへ血が送られ、患部周辺に酸素が供給され、コリが取れるという寸法です。
鍼灸や湿布が効かない場合は、意識がそれらの刺激に慣れてしまって、患部に注意がいかなくなっている状態なのではと考えられます。
つまり、自分で意識を患部に集中させ、そこへ血を送ることができれば、
鍼灸や湿布は不要なのではないかと。

藤平光一氏は「臍下の一点に心を静める」と繰り返し著書で書いていますが、
臍下の一点というのは胴体の重心。
そこに何があるかと言うと男性なら精嚢、女性なら子宮、つまり生命のおおもとです。
ここに意識を向けると、血が巡って精がつく。気力が湧く。元気が出る。
同時に「頭に血がのぼる」ことが無くなるのでは。

更に、「臍下の一点には、吸気とともに全宇宙の良いものが吸収されてきて、
また、この一点から呼気とともに身体中の悪いものが出ていく」
と信じることで、実際にはそんなことはありえないとしても、
非常に希望に満ちた、ポジティブな気持ちを持つことができます。

病は気からと言いますが、その前向きな気持ちによって、
治らない病気も本当に治ってしまうのではと。
つまり「臍下の一点を意識する」とは
生命のおおもとに血を送ると同時に、
前向きな気持ちを持つべく自己暗示をかけること、だと考えられます。

「からっぽ!」という瞑想の本を読んだときに、頭の先から足の下までスキャンするのをイメージし、身体の不調部分を把握する。治そうと思わず、ただ把握する、とあったのですが、その「把握する」というのが「患部を意識し、そこへ血を供給する」という意味なのであれば、僕にとっては凄く腑に落ちます。



【参考】

藤平光一「気の王道」

小池義孝「ねこ背は治る!」

アンディ・プディコム 「からっぽ!」

100%の呼吸

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